ネコを洗うのは,わりと好きです.月に一度くらいですが,3匹まとめて洗います.
まあ,洗うのが好きなのはわたしだけで,ネコたちは忍耐の二文字ですが.
所要時間は,本当に気合いを入れて洗うと一匹で1時間半かかるのですが,普段は3匹で1時間半くらいです.
早いでしょう?
実は,洗ったあと,あまりまじめにドライヤーをかけないんですよ.
シャルトリューたちは,フワフワのアンダーコートが乾く程度,風は,おなかと首が乾く程度で解放してしまいます.
生乾きで解放されると,風は一生懸命体を舐めて乾かします.
つぐみも舐めます.女の子たちは,身繕いに情熱を傾けてます.
でも,海は全然舐めないんですよ.それでも女性陣と同じくらいの時間で乾きます.
不思議だなあと思って観察していたところ,何と,こいつは「天日干し」だったのです.
日なたに転がってじっとしています.
「海の天日干し」・・・何だか,干物の商品名みたい.
お気楽,のんき,手抜きの人生は海の専門・・・と思っていたら,
このあいだ洗ったとき,何と,母,つぐみが天日干しに励んでいる姿を目撃.
あ〜,やっぱり海の母は,海の母なのでした.
さて,18話でお話ししたように,ネコが飼い主を選んでいるのだとすると,あの東北自動車道の岩槻インターに
連れられてきた2匹の三毛猫のうち,
「ひとつはこの子で・・・」
と最初にキャリーから出された瞬間にわたしの心をとらえたヤツは,わたしの気配に興味を感じてキャリーの
手前にでもいたんでしょうかね (逃げ遅れただけかも・・・).
つぐみは,小さい頃,写真家の方にカメラを向けられると進み出てポーズをとるので,これくらい大胆な性格なら,
こわい三毛姉さんのいるおうちでも大丈夫だろうということでうちに来ました.性格が運命を決めたタイプですね.
海たち3匹が産まれたとき,わたしは誰かをうちに残すつもりはまったくなかったのですが,偶然の出来事から
海を残すことになりました.
でも,まわりの人に,この子は最初からここの子になると自分で決めていたとしか思えないと笑われました.
何せ生後一週間くらいで目が開いたときから,わたしを見ると必ず一直線に寄ってきたヤツなんです.
まあ,すべては人間の身勝手な思い込みかも知れませんが,ネコに選んでもらったのだと思うと,やはりうれしいです.
その結果,あとは無心にかわいがって一緒に楽しく過ごせばいいだけなんだという,お気楽な人生計画にいたるのが,
また,ありがたいところですかね.
ネコまたぎ雑記
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「ビールみたいな臭いものはいらないから,
箱だけボクにちょうだいね〜」
うちの冷蔵庫には,いつもネコたちの大好物の「おかか」とゆでた「ささみ」が入っています.
だから,冷蔵庫を開ける音がすると,わさわさとみんな寄ってきます.
普通は「違うよ,あなたたちのじゃないよ」と説明して解散させるのですが,わたしの食事中が大変です.
わたしが食事をしている間は寝ているくせに,途中で立って冷蔵庫を開けようものなら「冷蔵庫が開いたぞ〜」っと,
みんな起きてきてしまうのです.夏など,ビールをまめに冷蔵庫に入れているので,実に面倒です.
そこで,ビールを取りに立つときにはかならず,「ビール,ビール!」と声に出し,寄ってきた子には「ビール」と言いながら匂いをかがせました.
みんな「おぇ〜っ」という顔をして行ってしまいます.
じきに「ビール,ビール!」と言いながら冷蔵庫を開けたときには,誰も起きないようになりました.
やはり,覚えるのでしょうかね.
覚えるといえば,こんなこともあります.
うちは建物の10階なので,新聞を取りに行くのもゴミを捨てに行くのも5分から10分かかります.
ネコたちは,その度に真剣にお見送りをして,新鮮な気持ちでお迎えをしてくれました.
でも,何だかその一途さが気の毒で,試しにいつも必ず同じ言葉で「新聞取ってくるね」「ゴミ捨ててくるね」と声をかけるようにしたら,
新聞とゴミのときは誰もお見送りもお出迎えもしなくなりました.
「すぐ戻ってくる」などという人間流の時間の観念があるとも思えないのですが,ネコなりに何か納得したようです.
犬やネコは人間の3歳くらいの知恵があると聞きますが,何をどの程度にわかっているのでしょうね.
ネコは色がわからないと言いつつ,きらきらボールは色で区別するし,時間の概念はないと言いつつ,すぐ戻ってくるというのは
納得しているようだし,いろいろと神秘なヤツらではあります.
第19話 ネコに選ばれた? その2 (2006.8.31)
第21話 日本語わかりますか? (2007.1.14)