「魔法使いの弟子」には,風と海が見事に反応しました.
特に海が好きで,何度かけてもきちんとスピーカーの前に座って聴き入っています.
最初の部分に短く,最初から9分ほどのところから連続して入るということでしたが,
海は冒頭から聴いて,いったん席を外しても,また9分くらいのところで戻ってきて
聴いています.
そして,これを聴いているときの表情が,現代音楽の高音を聴いているときと同じなんです.
目を閉じ気味にした,ちょっと哲学的(?)な表情です.

目からウロコ,というヤツですね.実は,海は高音が好きだったというわけです.
音楽に使われている超高音のもっと高い周波数のものは「モスキート音」と呼ばれ,
大人には聞こえないのだとか.
「鳥っぽい」のではなく「虫っぽい」だったんですね.

ところで,ドビュッシーの「海」とデュカスの「魔法使いの弟子」では,ひとつだけネコの
反応に違いがあります.
「海」を流すと,みんな一瞬,目を宙に泳がせ,何かを探そうとしますが,
「魔法使いの弟子」では,それはやりません.
前者は飛んでいる虫の音,後者は止まっている虫の音・・・だったりして.

 
第42話
 海の招き猫
  (2010.2.6)

音楽は自由なスタイルで聴くもの.

 
第40話
 キャット・タワーの攻防
  (2009.4.29)

「ねこにゃん堂いかわ」さん作成のオリジナル招き猫(第6話参照).
風とつぐみは大小作っていただいていたのですが,海がなかったので
年末に作ってもらいました.
手に取るなり,あまりに似ていて吹き出したほどの出来です.
とくに口元の感じがそっくりで,かわいくて仕方ありません.

あかりも2歳を過ぎて顔つきが落ち着いたら作ってもらおうかな.

 
第41話
 続・現代音楽はお好き? (本当は高音が好き!)
 (2009.8.14)

スピーカーで,垂れて聴くもよし・・・

左の写真は,我が家で一番古いキャット・タワーです.
風が,まだ一人っ子だった頃に買いました.
床には一畳のカーペットを敷いてありますが,これが汚れてしまったので,
今日,新しいカーペットに取り替えました.

天上突っ張り型のキャット・タワーなので,まず,ねじをゆるめて
タワーを少し動かしながら古いカーペットを引き抜きます.
すると・・・寝室にいたつぐみが血相変えて飛んできて,
すでに斜めになった「巣箱」に飛び込み,籠城!
「わたしのタワーに何をするの!」という感じです.

かまわず作業を続けると,「巣箱」も不安定になったか,
「巣箱」の上に乗り,爪研ぎポールにしがみついて離れません.
「何をするの!わたしは絶対にこのタワーを離さないわ!」
・・・もう,必死の形相です.

わたしの脳裏を「安田講堂」や「成田の塔」の記憶がよぎりました.
不謹慎な引用で申し訳ありませんが,つぐみは本当に必死だったのです.

第43話へ

「これ,ボクなの?似てる?そう?
ボクの方がいい男じゃない?」
海の招き猫.
目も耳も口元もそっくりです.
第36話で,海は高音が嫌いだというお話しをしました.ところが・・・

ある晩のこと,わたしはのんびりお風呂に入っていました.
ネコたちもお風呂場に入り込んで湯船の蓋の上でくつろぎ,脱衣場に持ち込んだノート・パソコンからは音楽が
流れています.
もちろん,音楽の発信元は,お気に入りの OTTAVA con brio です.

そんなのんびりした雰囲気の中,何を感じたか,突然,全員が耳をぴんと立てて立ち上がり,我先にお風呂場から
飛び出して行ってしまいました.見ると脱衣場で,うろうろしています.

どうやら,ドビュッシーの「海」第3楽章に反応して,音源を探しているようなのです.
耳を傾けてみると,音楽の奥の方でかすかな高音が流れています.
これが「鳥っぽい」感じがするのかなと思い,このエピソードを con brio に投稿しました.

すると,音楽のお仕事をなさっているシフリンさんというリスナーの方から,この第3楽章には,
クラッシック音楽には珍しく,延々と超高音が使われている部分があり,この超高音は大人の耳には
聞こえにくいが子どもや動物は好きなので,ネコたちはそれに反応したのではないだろうか,という投稿がありました.
そして,デュカスの「魔法使いの弟子」をリクエストされ,この曲にも超高音が割と長く使われているからどうだろうか,
というご提案です.
管理人さんの膝の上でだらけて聴くもよし・・・
真剣に「猫」生の深みを聴くもよし・・・
「勝ったわ!守り抜いたわ!」
設置が終わるなり「巣箱」に入りました.
心配させてごめんね,つぐみちゃん.
子ネコ時代のつぐみのページから転用,
2002年4月,我が家に来た日の夜の写真です.
最初の夜を過ごした,この「巣箱」は,
我が家の中のつぐみのふるさとです.

copyright(C)2004

思えば2002年の4月,我が家にやってきたつぐみは,
怒って寝室に籠城した風に対し,リビングにある,このタワーの「巣箱」を
自分の場所に決め,生まれて初めての寄り添うネコのいない夜を,
この「巣箱」で過ごしたのでした.

だからこそ,風と仲良くなってからも,「巣箱」に風が入ると怒ったし,
出産さえ「巣箱」でしようとしたので,あわてて引きずり出したりもしました.

わたしが,タワーのねじをゆるめ始めたので,きっと,持ち去られてしまうと
不安に思ったのでしょうね.いじらしいものです.

無事,新しいカーペットを敷き終えると,つぐみはすぐに「巣箱」に入り,
「やったわ,守り抜いたわ」と引き締まった表情で戦いの成果を
かみしめているようでした.